治療はまだ継続中ですが、治療の経過をご紹介。
平成26年10月、咬みにくい、下の前歯の長さが気になると受診されました。
56歳の女性です。
初診の写真では、確かに下の前歯が著しく咬耗していて短くなっていました。
また、上は左側、下は右側のそれぞれの奥歯がなくなっていて、咬みにくいのも納得いく状態。
口元の写真でも「い~」っとすると下の歯しか確認できません。
そして咬み合わせの低下、唾液の質や量の低下、細菌叢の悪化で起こる口角炎も発症していました。
以前にもお話したことがありましたが、まずはお口の中で何が起こってるのかを専門的に判断する必要があります。
ただ歯の長さをもとに戻して咬みやすい入れ歯やかぶせ物を作っても、繰り返すだけなんです。
なぜ今の状態に至ったのか、歯の状態・歯周組織の状態・骨の状態・筋肉の状態・癖・生活習慣に至るまでひとつずつ紐解いていきます。
そして、今回は顎位(上下の顎の位置)から再構築する必要があるだろうと判断し治療開始。
診断用Wax upをBeaux Arts(DT.Katsuya Seki, Setagaya-Tokyo)へ依頼。
欠損している部位の奥歯は患者さんの希望もあり入れ歯で補うこととなりました。
診断用Wax upを参考に一度、合わない補綴物を外し正しい咬み合わせを模索する間、基本的な歯周治療を行いお口の中の状態を整えていきます。
そして、安定した顎の位置を正確にラボへ伝えラボプロビジョナル(技工士さんの作る仮歯)を製作に入りました。
最終のラボプロビジョナルの装着。
見て頂きたいのは、歯肉の色。。。正しい咬み合わせと形態を与えるだけで、歯は本来の力を発揮してくれます。
そしてそれに伴って歯周組織も反応し血行が良くなり、筋肉の均衡もとれ、過緊張が改善していきます。
口元です。以前の口元とは別人のようですか?
多かれ少なかれ、加齢とともに歯の状態は、周囲の筋肉や血流量、唾液の状態、骨も含め変化していきます。
生活習慣にも左右されますが、その変化が異常なものになれば、治療の対象となり、それまた長い年月をかけ悪化したものであれば取り戻すのは大変なことです。
ただし、もしそれが必要な状態であれば、ひとつひとつ確実に判断、治療して参ります。
なんでも知ることです!!!ぜひご相談ください!!!
患者さんもまだ治療途中ですので、経過を追ってご報告しますね~♪ Be smile…