綺麗にしたい、という希望は誰しもあると思います。
しかし「歯」では、ただ単に真っ白であってもそうはいきません。
人間の体の一部である「歯」は、正しい機能を与えれば自然と調和し綺麗に。
それが大切です。
確かにいい材料を使用すればもっと突き詰められますし、長持ちの秘訣にもなります。
しかし、それを使えば何でもかんでも綺麗になるわけではないんです。
患者さんは30代男性。
虫歯、歯周炎、古い治療によって口腔環境が悪くなっています。
そこで、まずしなければならないことは、咬む場所を正しく与え機能を取り戻したうえで歯周基本治療を行うことです。
そうすることで自己免疫も十分に発揮しますし、清掃もしやすくなり、あごの位置も正しくなっていきます。
その最中に、歯の虫歯の治療や抜歯などの治療を併用して行っていきます。
最終的に今回かなり全体に渡る治療でしたし、患者さんの希望もありすべて保険治療にて行いました。
いい材料を使ったわけではありませんが、歯肉、咬み合わせの状態をみるととても良好ですし、プラークコントロールも良好です。
それを考慮するとやはり、高価な材料を使用するのは確かに究極ではありますが、やっぱりそこではないんだと思います。
人間の機能というものは本当に緻密かつ繊細にできていて、それを壊しては美しさは伴わない。
正しく整いを与えて初めて美しいとなるのではないでしょうか。