近年、歯科(口腔細菌)と医科(全身疾患)とのかかわりについての話題を耳にします。
口腔細菌が血管をつたって全身へ運ばれ、さまざまな病気を引き起こしたり、病状の悪化を起こしたりするからです。
歯科では当たり前のこととして熟知していましたが、ようやく一般的な常識へとなってきたのかもしれません。
しかし、「大きな手術をするから」「内科の先生が行けと言ったから」といって来院されますが、歯周治療がどれほど大事なのか理解してくださる方は少ないです。
一度で治療が終わると思っていたり、地道な治療を続けていくことが出来なかったり。
そして、内科の先生が歯科への受診を勧めるタイミングは、全身疾患も悪化してからという場合が多くあります。
この患者さんは34歳、長くにわたり糖尿病治療を行ってきています。
なぜ最初の診断の段階で歯科への受診を勧めてくださらなかったんでしょう。
歯科治療は、歯を支えている骨、口を動かす筋肉、口腔細菌の増殖など、多数にわたりコントロールをしながら治療をしていきます。
しかし、失っているものが多い段階での治療は選択肢が少なく、その機能を取り戻すには限界があります。
病気を患っている方はもちろんのこと、健康な方も含めて、歯科受診の大切さを理解してください。