月別アーカイブ: 2018年10月

インプラント治療の応用編~


 

インプラント治療に関して、様々な応用をして治療を行うことがあります。
今回は、長いこと歯が欠損していて、近隣の歯が移動してしまったケースを、インプラントを行い歯の移動を同時にすることで、それを修正しました。

 

まずは最初の状態。
歯の欠損もありますが、前方の2本の歯に隙間が出来ています。
長いこと欠損することで歯の移動を起こし、隙間が出来てしまったわけです。

 

猪八重_和也 (2)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まずは、上顎洞挙上術と同時にインプラント埋入。
約3mmの挙上を行いました。

 

猪八重_和也 (3)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

インプラントの状態が安定したことを確認してから、仮歯の状態で前方の歯に矯正力を加えて歯の移動を行っていきます。
隙間が無くなり、良い状態でコンタクトすることを確認し、インプラントの上部構造を作成していきます。

 

上部構造が入った状態です。
レントゲンでも隙間が埋まっているのが確認できます。

 

猪八重_和也 (4)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

写真でもきれいに歯が並んでいます。
また歯肉の炎症もなく、良い状態で咬んでいるのが分かります。

 

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インプラントのゴールはとりあえず歯が入ることではありません。
患者さんとメインテナンスする衛生士さんが、きちんと磨ききってくれることに意味があります。
それを踏まえて歯科医師は、インプラントの位置や上部構造の形態を考察し実行しなければいけません。

 

DSC_0049 (2) 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

インプラント治療は最善治療ではありません。
ただし、インプラント治療にしか出来ない事もあったりします。
大切なことは、予後です。
いつまでも「健口」でいられるよう、いつでもお手伝いさせていただきます!!

 

 

上顎洞挙上術!!


 

インプラント手術に関して、上顎の奥歯を失って時間が経過すると、場合によっては骨の残量が少なく、そのままインプラントを行うことが難しくなることがあります。
そういう場合は「上顎洞挙上」という術式を行い、インプラント本体が骨内に収まるようにします。

 

例えばこういった時。
残された骨の残量は5mmでした。
埋入したいインプラントは8mm。3mmの不足です。

 

坊野_喜美 (3)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこで、スポットでその部分だけ挙上するソケットリフトという技法で挙上。(ストローマンインプラント)

前方の根の治療も行い、出来るだけ周囲の感染も除去しました。

 

坊野_喜美 4

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

術後、経過良好にて仮歯を装着。先日、型どりをしました。

 

坊野_喜美 (2)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 次の方、この方はブリッジが以前入っていましたが、前方の歯が咬むと痛みがあること、虫歯もあり、しみるとのことでした。
そこで、ブリッジを外し欠損部にはインプラント治療を行いました。
今回も上顎洞挙上術をソケットリフトで行いました。(アストラテックインプラント)

 

宮田_修

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前方の歯の根の治療を行い、ブリッジによって大きな負荷がかかっていたものが無くなると、歯根膜の腫れもなくなり、きちんとした虫歯治療でしみていた感覚も改善しました。
現在は治療も終わり、経過良好です。

 

宮田_修2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

上顎のインプラント治療に関してそのままではインプラント治療は困難な時でも、このような技法を使えば治療可能です。
また大きな手術になるのでは?と心配される方もいますが、上顎洞自体は空洞なので慎重丁寧に行えば何ら問題はありません。
適応されるかどうか診断は必要ですが、諦められていた方でもぜひご相談を!!

 

加齢とともに…


 

加齢変化って言葉、イヤですよね笑

 

私たち人間は加齢とともに変化を遂げていきます。
お肌がくすんだり張りがなくなったりするように、お口の中の粘膜も弾力を失ってきますし、刺激に弱く修復に時間もかかるようになります。

 

そして、歯自体は、エナメル質がだんだん薄くなり、黄色くなっていきます。
日本人のエナメル質はもともと透明感が強いので欧米人に比べると少し黄色っぽく見える方が多いですし、年齢ともに黄ばんで見えやすくもなります。
また、酸性のもの、、、炭酸やお酢などを好んで飲まれる方は、その速度は速くなります。

 

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当然、歯を黄色い状態と白い状態の写真をみると年齢も違って見えます。

 

では、ホワイトニングですか??
近年使われているホワイトニング剤の成分は歯に優しくなっていますし、繰り返し使用しても問題ないと言われています。
しかし、薬剤を使って白くしても、そもそもの食生活の改善や健康状態、定期的なメインテナンスを行っていなければ、白くもなりにくいですし、すぐに後戻りもします。
では、削ってポーセレンを被せてしまいますか??
まさか天然の大切な歯を削るなんてことはしません。

 

 SHOFU DENTAL DIGITAL CAMERA

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらは、ホワイトニングを希望されてきた30代後半の男性の患者さんです。
虫歯はないようですが、喫煙による唇面のヤニも付着していますね。
歯肉の色を隠してみると、その汚れや歯の色がよく分かります。

 

まずは、歯石沈着もありますので保険適応の歯石除去。
ホワイトニングのための歯面研磨を行いホワイトニング、定期的にメインテナンスに来てくださるようになった結果です。↓↓

 

 菅原さん after (1)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

歯は天然の状態でも十分綺麗です。

しかし、加齢には勝てません。
加齢とともに、ご自分の年齢らしく、そして若々しくいるために、歯も歯肉も専門医である私たちに任せていただけたらいい状態が維持できると考えています。
歯の色、歯肉の腫れ、歯肉の下がり、口臭、気になることなら何でも!!

 

医科歯科連携プレー


 

最近は、医科的全身疾患と歯科との関連が多く取りざたされています。
そのひとつは、糖尿病です。

 

糖尿病にかかると歯周病にかかる倍率が8倍ほどになる、と言われていますが、これはリスクの問題。
実際は糖尿病で治療を受けている患者さんのほぼ100%が歯周病にかかっているとも言われています。

 

いえ、実際には、歯周病にかかったことで、糖尿病・高血圧・消化器系や呼吸器系の疾患・心臓血管系の疾患・低胎児出産やリウマチなどの病気にも関わっていると報告されています。
歯周病菌は口の中に多く存在する毛細血管の中に侵入し全身に運ばれます。
そこで、プラーク形成をし、血管を詰まらせたりします。現に、心筋梗塞などで詰まった血管部位には歯周病菌が見つかることがあります。

 

 

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ですから糖尿病だけ一生懸命治療しても、なかなか結果が伴わないことが多くあります。
内科の先生は口の中は見ませんから。。。

 

当院では、糖尿病専門医の天保山内科と連携を取る形で、糖尿病歯周病治療に臨んでいます。
今回紹介いただいた患者さんは、当院に近い場所に住んでいることもあって来院されました。

 

中村_由美子 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

残念ながら、ほとんどの歯が口腔内で抜けています。
これでいくら糖尿病治療を行っても、良い結果は出ないと考えます。
では、全て抜いて総入れ歯ですか??-答えは、それが本当は正解だと思います。

 

しかし、患者さんの年齢、性別を考えると、総入れ歯に慣れていくリハビリも過酷でしょうし、いきなり全ての歯を失うことを受け入れる感情も大変なことでしょう。
いくら糖尿病を治したいと考えていても、なかなか決断しがたいことですよね。

 

そう、タイミングは患者さんを含んだ皆で決めていけばいいんだと思います。
昨日今日でこうなった訳ではありませんし、明日いきなり痛くなるわけでもありません。
とにかく、今の状態でも、きちんを清掃をすることを覚え通院し、口腔内を清潔に保つことから始めて、だんだんに安定してからその後の治療を決めてもいいんです。

 

高齢な患者さんは、歯医者に行けば痛い、抜かれる、怖いと口々に言われますが、本当はお体を治す場所ですので、何よりご自分の状態を把握し、どのような治療を行っていくべきなのか理解し、そして何よりご自分の体を大切にしてもらいたいと考えています。
これからも続く人生を明るく楽しいものにしてください!!

°˖✧最小限の治療でキレイに✧˖°


 

人の歯の表面にある「エナメル質」というものは、とにかく素晴らしい素材なんです。

 

私たちの体に細菌を入れないように頑張ってくれていますし、何でも咬めるようにもしてくれます。
そのくらい硬く、緻密な形態をしており、神様のくれた宝物だと言われています。

 

そんなエナメル質をいかに守れるかが歯科治療のカギとなってきます。
最近いわれる「MI治療」というものも、そういった考えに基づいています。

 

さて、このように治療の必要な虫歯と、綺麗さを追求する審美的なものが入り混じったとき、さっさと削って全部差し歯にすることが正しいと思いますか?
治療方法はたくさんありますし、患者さんの満足度は人それぞれで違います。
でも、年齢や先ほど書いたようなにエナメル質の保存を考えると、どういった治療を「今回は」考えていくのか、とても大事になってきます。

 

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今回、20代の彼女には、最初から差し歯だった歯を除き、全て変色、虫歯の部分だけを取り除いてコンポジットレジンで修復をしました。

 

DSC_0315 - コピー

 

これから何十年もの間、使っていかなければならないんです。

その間には、多少なりともやり直しが必要かもしれませんが、それがいまこのタイミングだと決めるのには早すぎます。
どんな治療でも、本当に今のこの時期に、失くしてしまう必要があるのか、よくよく考えて主治医とディスカッションし、最善の治療を行ってくださいね!
失くしたものは取り戻せない!!
(歯肉の色も良くなって、隙間もキレイになったことにも注目してね笑)

 

DSC_0315

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