歯の色は、人それぞれ、年齢や人種によっても様々です。
現在では、撮影した写真を分析することが出来るようになり、技術のある技工士さんであればある程度、どのような色で構成された歯であるか分かってもらえるようになってきました。
当院の歯を製作してくれるZahn dental Lab,の峯崎くんも色合わせがとても上手ですが、今回、とある患者さんの色を決めるのに3回もかかった、というお話です。
患者さんは、60代女性。
右上の犬歯がだんだん移動してきた、とのきっかけで来院されました。
細かいことをお話しすると、この原因は臼歯にあります。
要は、犬歯誘導がうまく行われていないということなんですが、それは反対側に起こっている早期接触に原因があり、当然、その治療を行ってから、この主訴である犬歯も治療を行っていくことになりました。
まずは、チェアサイドで仮歯へ変更。
この時は、形だけでなく、歯肉の状態を整え、顎の動きと調和できているか、削る量も十分であるか、などいろいろと検討を行います。
そして色合わせ。
写真をどのタイミングで撮影するか、角度やカメラ設定など、確認を行いました。
また、この患者さんのように日本人の女性は上顎の前歯を取り巻く歯肉の厚みは1mmにも満たないことが多くあり、乱暴な扱いをしたり削り方が荒かったりすると、あっという間に退縮し無くなってしまいます。
丁寧に扱うことで、写真のように上から被ってくれるようになり、また歯が入ったあとも十分に安定した歯肉になってくれます。
(ココ、とても大事なので、はやく治療をしたいのはよく分かりますが、十分な時間をかけることで予後がとてもよくなりますよ)
最初の色、、、あら?ちょっと暗い。
う~ん、今日はとりあえず写真撮影だけして、もう一度トライ。
2回目、うん??
今度は透明感に欠ける。。。ごめんなさい、もう一度!
患者さんは「先生、私は何度でもいいんですよ、納得いくものをしてくださる方がいいです」と。
ありがたい♡
さぁ、三度目の正直!!
上手くいきました!!
患者さんも納得の綺麗さ♪
治療は、1度で完璧なのはとても素晴らしいことでもありますが、どうしても上手くいかないことがあります。
でも、きっと患者さんが信頼してくだされば、上手くいくまで何度でもトライさせていただき、互いに納得いくものを提供できます。
当然、その間の費用はいっさいかかりません!
歯肉も隙間を埋めるように伸びてきています!
これから毎日使う歯ですから、いつまでも大切に使っていきたいですね♡